プロジェクト事例
株価の時系列解析

現状と問題意識

  • 金融商品の取引により収益を得るヘッジファンドではファンダメンタル分析により売買を決定しており、取引量を決める定量的な根拠はない。もっとデータ解析を取り入れる余地がある。
  • 従来のマーケットニュートラル戦略ではデータの順序を考慮できていない。株価のような連続的な値ではデータの順序は非常に重要である。時系列解析ではデータの順序までを考慮にいれることができる。

目的

ギルドラボの分析によりヘッジファンドのポートフォリオ(所有銘柄の一覧とその数)を作り変え、収益を生む。

参考:定常過程、非定常過程、共和分

定常過程(例:エネルギー使用量)

平均回帰性がある→予測可能性がある

非定常過程(例:株価)

平均回帰性がない→予測不可能

2003年 ノーベル経済学賞「共和分」共和分検定による経済時系列分析手法の確立

2003年 ノーベル経済学賞「共和分」共和分検定による経済時系列分析手法の確立

うまい割合で非定常過程同士の引き算をすると残った量(残差)が定常過程になる事がある。
この性質を「共和分」といい、あらゆる銘柄について「共和分検定」という数学的検定を行うことで残差が定常過程になる銘柄のペアと、その保有割合を見つけることができる。
つまり、本来ならば非定常過程である株価を、銘柄のペアで考えることでその残差は定常過程として捉えることができる。

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利益の出る売買のタイミングをある程度予測可能

シミュレーションの概要

時系列分析 取引シミュレーション

やや簡略化した説明
S = X – βY

S:株価の残差
X:株価1
Y:株価2
β:Sが定常過程となるための最適な割合を決める定数

X,Yが共和分な関係にある、つまりSが定常過程のとき、Sが小さい時⇒Xは小さい(割安)Yは大きい(割高)
この時、Xを買い、Yを空売りするのが合理的

実際のペア株価の残差系列の例(京成電鉄とJR東日本)

実際のペア株価の残差系列の例(京成電鉄とJR東日本)

半年のスパンで見た収益率同士の残差に定常性があるように見える。

  • 適当な取引開始しきい値
  • 損切りしきい値(上下)
  • 利確しきい値

を設定して取引を行えば収益が出るように思われる。

シミュレーション結果

シミュレーション結果

  • 100日の平均利率が13%

実用化に向けて現在調整中…

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