目的
実在しない車の外観を生成することで産業デザイナーインスピレーションを
- GAN:膨大な画像データセットを学習させる事により、実在しない画像を生成できる
- 連続的に車の特徴を訂正的にスライダーで操作する事により、出力をコントロールできる
- ※このプロジェクトは2019年頃に実施されており、最新の画像生成AIに比べると性能が劣りますが、当時としては画期的でした。
GANとは?
敵対的生成ネットワークと呼ばれ、2014年にIan Goodfellow氏によって提案された生成モデルの一種です。
GANでは、生成器と識別器の2つのニューラルネットワークを訓練します。識別器は生成器の出力が偽物か本物かを見分けるように学習し、生成器は識別器に偽物と判定されないような出力を生成するように学習します。このように2つのネットワークが互いに競い合うように学習することで、最終的に本物と見分けがつかないようなデータを生成することが可能となります。
参考:GANを用いたデザイナー支援はできるのか(innolab.jp)
特徴的な例
例1
- 67年式アストンマーチンに似てなくもない
- 60〜80年代成分を増やし、それ以降の年代成分を減らし、クーペ成分を増やすことで出現している
- クーペ度を高くするとクーペ教師データのフェラーリかマクラーレンに影響されボディ色が赤かオレンジになりがち
- 助手席側のドアがない車というのは実はある
例2
- スポーツカーっぽいが赤くならなかった
- アウディTT、ブガッティ・シロン、ボルシェボクスターに似ている
- 上記3車種は基本的に2000年以降に多いモデルだが80年代成分で出ている
- クーペ付近を探索していると、クーペが包摂している概念の範囲が広い事がわかる
例3
- SUVが流行ったのは最近なので、2000年代以前でSUVを指定するとステーションワゴン型やfastbackが出やすい
- 普通70’fastbackだとfordやchevyのアメ車が出がちだが、この車は顔が可愛めで、リアまでずっと窓になっている所に特徴がある
例4
- BMWっぽいが、こんなみっちりしたワゴンは実在しない。いかつい
- ベントレーが最近出したモデルにベンティーガというのがあるがセダンとSUVのMIXのような感じで、それに近い変化の方向性を感じる
- ただしこの画像の生成にはSUV成分が全く入っていない
定性的に、見いだされる生成器の傾向
- 年代は正確に捉えられていると言えそう
- クーペ度を高くするとフェラーリ等に引きずられてボディ色が赤オレンジになりがち
- SUVにミスマッチな年代を指定すると、他の軸に関わらず白いバンが出やすくなる(年代×ボディタイプの組み合わせが存在しない場合がある)
- Pickup は他のボディタイプに比べてかなり離れているので、他の特徴を巻き込んでいそう
もっとこういう軸で動かしてみたい
- 新車価格、ターゲットセグメント、車重、排気量の軸があると良さそう
- クーペをもうちょっと小分けにしても良いかも(hardtop, convertible, fastback, Notchback 等)
- カラースケールを白黒に落として一旦学習してみるか、ボディカラー自体を軸にする
- ボディタイプには実は隣接関係がある
例:concept => sport => hardtop => fastback => notchback => sedan => suv => mpv => van =>bus
この場合、 compact , truck , pickup , tractor , motercycle は入る場所がない。